政府は28日、2011年度の子ども手当法案を閣議決定した。支給額は3
歳未満に限り月2万円に引き上げ、3歳から中学生までは10年度と同じ同
1万3000円に据え置く。給付費総額は2兆9356億円。4月からの施
行に向けて、今年度内の成立を目指すが、参院で多数を占める自民党など野
党は反対しており、審議は難航必至だ。現行の子ども手当法は10年度限り
の時限立法で、今国会に提出する11年度分の法案が成立しなければ4月以
降の手当は支給できなくなる。その場合、子ども手当の一部として残ってい
る児童手当に切り替えて支給するが、子ども手当と仕組みが大きく異なるた
め、市区町村の事務作業が混乱するとの懸念がある。また、10年度限りと
していた一部財源の地方負担を継続したため、反発する地方自治体の中で全
額国庫負担として予算計上する動きもあり、政府は対応に苦慮しそうだ。 

 

子ども手当民主党の看板政策の一つであり、マニフェストでは中学生以下
の子供がいる家庭に月額2万6000円を支給するとしていた。民主党が言
うように無駄の削減や予算の組み替えで、巨額の財源が生み出せていれば、
とうに実現したはずの支給額だと思うが、その財源を生み出すことも無く、
民主党マニフェストの修正を目論んでいる。これでは話にならないだろう。
子ども手当法案は時限立法のため、法案が成立しなければ支給そのものが出
来なくなるわけだが、昨年は子ども手当法案に賛成した公明党も、統一地方
選を控えているため、菅政権との対決姿勢を崩していない。衆院での再議決
によって成立させることも可能ではあるものの、当てにしていた社民党が距
離を菅政権と距離を置き、3分の2以上の条件をクリア出来ない可能性が出
てきた。さらには、小沢氏が週明けにも強制起訴されることとなり、執行部
の対応次第では離党に追い込まれるだろう。むろん、離党した小沢氏が民主
党に協力するとは思えず、再議決の頭数には入れられない。看板政策の成立
と引き換えに解散に追い込まれる、そんなシナリオが見えてくる。