菅直人首相が日本国債格下げを巡り「そういうことに疎い」と発言したこと
について28日、閣僚から首相を擁護する発言が相次ぐ一方、野党からは厳
しい批判の声があがった。与謝野馨経済財政担当相は閣議後会見で「首相は
本会議で5、6時間拘束され、1日の出来事を全部把握することはなかなか
できない。首相は格付けの問題について、実は詳しい」と発言。北沢俊美
衛相は「国会から出てきたばかりで中身が分からんということを、格下げの
意義を知らないように書くのはフェアでない。国益を損なう。揚げ足取りみ
たいだ」と述べ、報道を批判した。一方、自民党石原伸晃幹事長は28日
「20年度中の基礎的財政収支の黒字化も考えていないことを世に知らしめ
てしまった」と記者団に語った。

 

閣僚の擁護は分かるが、菅首相はもう少し言葉を選ぶべきであっただろう。
「そのニュースは今初めて聞いた。ちょっとそういうことに疎いんで、あら
ためてにしてください」と国債の格下げについてコメントし、菅首相は格付
け変更に関する情報が入っていなかったためと釈明する羽目になった。これ
は当然のことである。「疎い」と「情報が入っていない」とは意味がまるで
違うからだ。そもそも「疎い」とは良く知らない、良く分からないの意味で
あって、情報が入っていないのなら「まだ聞いていないのでコメント出来な
い」と言っておけば、何の問題も無かったことだろう。一国の首相の言葉の
重みは、鳩山前首相の後始末に追われている民主党なら良く分かっていると
思っていたがそうでもないようだ。釈明するにしても、言葉を間違えた、そ
う言えば済む話である。正に笑止千万。