民主党小沢一郎元代表政治資金規正法違反罪で強制起訴されたことを受
け、民主党は31日、小沢氏に対する処分の検討に本格的に着手した。小沢
氏自身の出処進退に関する判断を待ち、結論を出す。一方、自民党など野党
各党は、小沢氏の証人喚問を改めて要求するなど、「政治とカネ」で菅政権
への追及を強めていく方針を示した。岡田克也幹事長は同日午後の記者会見
で、小沢氏に対し「対応は本人が自ら判断すべきだ」とけじめを要求。その
上で、党の処分について「小沢氏の判断を前提に、党内で議論したい」と述
べ、本人の対応をにらみながら判断する意向を明らかにした。民主党は同日
夕の役員会で、今後の対応を協議した。

 

小沢氏が強制起訴されたことで、民主党は本格的に「小沢切り」を検討し始
めたようだ。民主党は倫理規則で、党員への処分について(1)党員資格停
止(2)離党勧告(3)除籍―の3段階を定めているわけだが、小沢氏は政
倫審への出席を拒否したこともあり、離党勧告に踏み切るのではないか、と
の見方は強制起訴前からあった。だが、小沢グループの議員の反発を恐れて
か、民主党の執行部、特に岡田幹事長は対応を先送りにしてきた感がある。
強制起訴と言う大義名分を得て、ようやく本格的な検討を開始したのだろう
が、果たして決断出来るだろうか。力を失いつつあるとは言え、党内最大勢
力を誇る小沢グループ、そしてあくまで小沢氏側に立つ鳩山前首相や輿石参
院議員会長。小沢氏を処分することで、党内に亀裂が走るとしても、執行部
は離党勧告を出すのであろうか。その覚悟が問われている。