政府・与党内で10日、2011年度予算案に盛り込まれた米軍普天間飛行
場の移設関連経費を凍結する案が浮上した。予算案執行に必要な関連法案の
成立に向け、社民党の協力を得るのが狙い。近く同党に打診する方針。ただ、
普天間関連予算を凍結すれば米国の反発は必至で、政府内には慎重論もある。
公明党が菅政権への対決姿勢を鮮明にする中、関連法案を成立させるために
衆院の3分の2以上の賛成で再可決する必要があり、社民党の協力が不可
欠となる。しかし、社民党普天間関連経費の撤回、法人税5%引き下げの
撤回、成年扶養控除縮小の見直しを求め、予算案への賛否を留保している。 

 

菅政権にとって社民党とは再可決のための存在でしかなく、予算案と関連法
案さえ成立させられれば、後は何とかなるとの見込みなのだろう。そう言っ
た思惑を利用して、社民党が無理難題を押し付けてきたら、それも飲むつも
りなのだろうか。普天間基地の移設関連費を凍結すれば、米国の反発は必至
であり、沖縄県にとってもいい迷惑ではないか。このような延命措置を繰り
返せば、菅政権だけでなく我が国の信用が失墜する。日米合意を元に移設を
進めるとした以上、政権政党として実行しなければならない。このまま社民
党が再可決に応じれば、もはや自己否定そのものであろう。意地でも条件闘
争に踏み込む可能性は否定出来ない。菅首相は見通しが甘過ぎると言わざる
を得ない状況だ。