菅直人首相は28日午前の衆院予算委員会で、民主党岡田克也幹事長が、公明党が主
張する児童手当の復活・拡充を検討する考えを示したことについて、「私たちはベスト
なものと考え、子ども手当を提案してきたが、野党からいろんな議論が出されているの
で、それらも含め、これから議論しようという考え方だと理解している」と述べた。自
民党の小泉進次郎氏への答弁。野党が協議に応じることを条件に、子ども手当法案を抜
本修正し、児童手当を復活させることに柔軟な姿勢を示した発言だ。児童手当は所得制
限が設けられるなど、子ども手当と制度の根幹が異なっており、首相と岡田氏に対して
民主党内から反発が出ることも予想される。 

 

子ども手当を止め、児童手当を復活すると言っているが、対応する市町村にとってはい
い迷惑だろう。すでに、対象世帯を把握して支給するシステムを子ども手当用に変更し
ており、仕組みの異なる児童手当に急に戻そうにも対応は難しいようだ。むろん、子ど
も手当法案が成立しなければ、4月からは児童手当に切り替わってしまうわけだが、支
給の開始までにシステムの改修が可能とも思えない。つまり、4月になるのを待ち、そ
れから対応していたのでは間に合わなくなってしまい、現場は大混乱するであろうし、
支給される側も困るだろう。きちんとした制度設計を行わないままスタートした子ども
手当。1年で制度が破綻してまいそうなのも、何となく理解出来るのである。