東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島県で活動するボランティアは、発生以来、延
べ13万人を超え、大型連休中には1日あたり約3倍となる8000人が被災地で活動
する見込みであることがわかった。 ただ、連休中のボランティアの急激な増員で受け
入れ態勢がとれず、交通の混乱も予測されるため、急きょ受け入れの一時中止を決めた
自治体もある。ボランティアの調整にあたる各県の社会福祉協議会は「出発前に現地の
状況を確認してほしい」と呼びかけている。内閣官房震災ボランティア連携室によると、
災害ボランティアセンターは各県に1か所置かれているほか、市町村ごとの設置数は、
岩手県20、宮城県17、福島県29の計66となっている。

 

ボランティアが来てくれること自体は被災地にとって有り難いことなのだろうが、大勢
のボランティアに特定の期間だけ集中して来られても、それはそれで受け入れが難しく
なる。そして、連休が終わると一斉に帰ってしまう。こう言った集中豪雨的なボランテ
ィア活動が良いのか、考える必要があるだろう。そもそも、きちんと移動手段や宿泊す
る環境を整えられないのなら、行くのを諦めるか、ツアーに参加するのも手だ。例えば
旅行会社「トップツアー盛岡支店」が企画した東京発岩手行きのボランティアツアーは、
募集開始からわずか2日間で定員の約90人分が完売したようだが、これはバスの中で
2晩を明かす「1泊4日」の過密スケジュールで、津波の泥を片づける作業をするよう
だ。意気込んで被災地を訪れても本心では歓迎されないようなボランティアでは意味は
無い。ボランティアのあり方を考える良い機会かもしれない。