菅直人首相は2日午前の参院予算委員会で、お盆までに希望者全員が仮設住宅に入居で
きるようにするとの目標について「私が強く指示すれば実現できると、私なりの見通し
で言った」と述べ、大畠章宏国土交通相ら関係閣僚と事前の擦り合わせをせずに打ち出
したことを明らかにした。自民党林芳正氏への答弁。首相は4月26日の衆院予算委
員会で、お盆までの全員入居に「全力を尽くす」と表明。その根拠について、首相は2
日の答弁で「希望数が計7万2000戸で、5月末までに3万戸が完成する。もっと人
を増やすなどの手当てをしてもらえれば、達成できると私なりに判断した」と説明した。
これに対し、林氏は「びっくりした。首相が無理なことを言って、後になってできない
ということではいけない」と批判した。 

 

「私なりに判断した」と菅首相は説明したわけだが、仮設住宅の設置を主に担当するの
国土交通相の大畠氏であろう。こう言った無責任な答弁を繰り返すことが、被災者を
傷付けることになることが、なぜ分からないのだろうか。5月末までに3万戸が完成す
るにしても、そこから4万2000戸を作るには、人手だけでなく資材や建てるための
スペースの確保も必要であろう。首相の言葉は重いものであり「やはり出来ませんでし
た」では話にならない。「私が強く指示すれば実現できると、私なりの見通しで言った」
との根拠の無い自信によって、どれだけの人が右往左往させられたことだろう。これが
リーダーシップなのだ、と勘違いしているとすれば、首相としての資格は無い。政治主
導の名の下に、現場は大いに混乱している。