菅直人首相の6月下旬の訪米に向け政府が、米軍普天間飛行場移設問題の地ならしを急
いでいる。4月末の松本剛明外相の訪米に続き、名護市辺野古に造る代替施設を「V字
形」とする案への理解を求めるため、北沢俊美防衛相が7日に沖縄を訪問。首相訪米前
の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)での決着に向けた
環境整備を図る。しかし、県外移設を求める沖縄県の反対は確実。米議会も、普天間
設とパッケージとなる在沖縄米海兵隊のグアム移転費の削減要求を強めており、打開の
めどは立っていない。

 

震災の復興は進めなければならないが、他にも多くの課題が残されている。普天間基地
の移設問題はその代表格であろう。鳩山前首相が2年前の衆院選で、最低でも県外への
移設と発言してしまったことで、県内への移設は非常に難しい状況になった。結局は、
この問題が引き金となって鳩山政権は崩壊したわけだが、普天間基地の固定化を既成事
実化しないためにも、移設先を早急に決める必要があるだろう。しかし、ここまで問題
を複雑化させた民主党政権に策があるとも思えない。現状の打開のために何が出来るの
か。今一度考えて欲しい問題である。