菅直人首相は14日夜、都内の日本料理店で、孫正義ソフトバンク社長と約2時間45
分にわたって会食し、福島第1原発事故を受け、自然エネルギー推進について意見交換
した。福山哲郎官房副長官が同席した。孫氏は、太陽光発電など自然エネルギー推進の
重要性を指摘。浜岡原発停止の首相判断について「歴史的英断だ」とたたえ、「嵐のど
真ん中で船長を代えられても困る。ぶれずにがんばってください」と激励した。首相は
「大変元気をいただいた。再生可能エネルギーについて懸命に取り組みたい」と語った。
福山氏によると、「原子力からの脱出」を特集した雑誌「世界」6月号に孫氏が寄稿し
た論文「東日本にソーラーベルト地帯を」を菅首相が読んで会食がセットされたという。

 

菅首相は10日の会見で、2030年までに原発の総電力に占める割合を50%以上に
することを目指したエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーを「基幹エネルギー」
に加える考えを示している。再生可能エネルギーが基幹エネルギーに成り得るか、それ
は確実には分からないことだ。つまり、現状は再生可能エネルギーの可能性を探る段階
だと思うが、下手に前のめりにならないことが大事だ。原発安全神話が崩壊したとは
言え、今すぐに他に代替出来る手段が無い以上は、当面は原発を動かしていかなければ
ならない。浜岡原発の停止措置によって、定期点検中で停止している原発の再起動にも
影響が出始めているのが気にかかるところだ。