仙谷由人官房副長官は13日、TBSテレビの番組収録で、衆院菅内閣不信任決議
提出の動きがあることについて「今そういうことをやっているときではないし、余裕も
ない。福島第1原発冷温停止に入るときまでは、選挙の大騒動をするような話ではな
い」と牽制した。菅直人首相が通常国会閉会後の6月末に内閣改造を行う可能性にも「
そんな話は聞いたことはない。菅首相も政権浮揚を考えない方がいい」と述べた。その
上で「今政治家にはあらゆる妥協が必要だ。この半年や1年は、何よりも東日本大震災
の復旧復興と第1原発を収束させる方向に持っていくことであり、このためにはすべて
の妥協が許されると思う」と述べ、政府・民主党子ども手当支給などのマニフェスト
にこだわるべきではないと指摘した。

 

内閣不信任決議案は会期中に一度しか提出出来ないため、野党もタイミングを見計らっ
ているのだろうが、与党が多数を占める衆院での成立は難しいのではないか。一方で小
沢グループが内閣不信任決議案に同調するのでは、との観測があるものの、ここで同調
すれば各議員は離党を迫られる。もともと選挙基盤が盤石とは言えない新人議員にとっ
て、このタイミングで党を飛びし出しても何も得ることは出来ないだろう。そもそも小
沢氏が「菅降ろし」を仕掛けたところで、小沢氏について行動する議員など数えるくら
いではないか。国民新党の亀井代表は小沢氏の置かれた現状を「座敷牢」と例えたが、
確かにその通りである。菅降ろしを仕掛けようにも、とっくに小沢氏の影響力は失われ
ている。それでも動くのなら、覚悟の上と言うことかもしれない。