民主党の岡田幹事長が、党内の「菅降ろし」の抑え込みに懸命だ。党内の小沢一郎元代
表を支持するグループなどが内閣不信任決議案に同調する動きを見せていることに対し、
岡田氏は「党除名」をちらつかせ、対決姿勢を強めている。「私自身、1993年に自
民党議員でありながら宮沢内閣不信任案に賛成した。厳しく苦しい道を歩むことを覚悟
して離党した。(不信任案に賛成した)当時の当選1、2回生で、今でも衆院議員にと
どまっているのは私だけだ」16日の記者会見で、岡田氏は自民党時代の「造反体験」
を披露した。不信任案への同調は、政治生命をかける覚悟が必要と言いたかったようだ。

 

「菅降ろし」がどこまで広がっているのかは不透明だが、野党が出すであろう内閣不信
任決議案へ同調する動きがあるのは確かなようだ。小沢グループの中堅議員が署名を集
めているとの報道もあり、岡田幹事長としても看過出来ない状況なのだろう。もちろん
野党の内閣不信任決議案に同調するのなら、離党は覚悟の上だろうが、例え菅降ろしに
成功したとしても、小沢氏の復権は有り得るのだろうか。小沢氏の資金管理団体「陸山
会」の土地取引事件の公判では「水谷建設」の経理担当の元常務が「元社長から指示さ
れて、5千万円ずつ2回、計1億円の裏金を会社の帳簿外の資金から用意した」と証言
しており、疑惑が深まりつつある。震災への対応に集中して欲しいと思うが、永田町の
論理は国民の思いを無視した方向に働きつつあるようだ。