内閣官房参与で劇作家の平田オリザ氏が17日のソウルでの講演で、東京電力が先月に
福島第1原発の低濃度放射能汚染水を海に放出したことを取り上げ「流された水は低濃
度で量も少なく、米国からの強い要請で流れた」と説明していたことが18日、分かっ
た。日韓関係筋が明らかにした。平田氏の説明が事実なら、「外圧」で汚染水を放出し
たことになり、国際社会で波紋を呼びそうだ。東電が低濃度汚染水を海に流し始めたの
は4月4日。各国への事前通告が間に合わず、韓国やロシアなどから批判を浴びた。平
田氏の発言について、枝野幸男官房長官は18日午前の記者会見で、「私は承知してい
ないし、放出について米国に事前に通告したとも聞いていない」と否定した。「どうい
う文脈で話したか、後ほど確認したい」と述べ、平田氏から事情を聴く考えを示した。 

 

先日、同じ内閣官房参与松本健一氏が原発周辺について「20年は住めない」と菅首
相が発言したと暴露し、その後菅首相が言っていないと反論し、松本参与を更迭すべき
との意見も出たほどであった。結局、言った言わないの水掛け論で終わってしまい、事
の真相はあやふやになってしまったが、今回の平田氏の発言は講演と言う開かれた場だ
っただけに、大きな波紋を呼ぶことだろう。「流された水は低濃度で量も少なく、米国
からの強い要請で流れた」との発言が事実であろうが、無かろうが、講演で話すような
内容とは思えない。事前通告無しに汚染水を放出したことは批判されて当然だが、それ
が外圧によるものだったと解釈されるような発言も問題だろう。それにしても内閣官房
参与と言う役職は何のために存在するのだろうか。誤解を招くような発言をするのが仕
事だとすれば、即刻廃止すべき役職ではなかろうか。