自民党谷垣禎一総裁は29日夜、党本部で講演し、菅直人首相が「脱原発」を掲げて
衆院解散に踏み切る可能性について「やりかねない。やるなら受けて立たざるを得ない」
と述べた。同時に、谷垣氏は、菅首相の言動に触れ「におわせて民主党の若手を脅した
が、三陸や福島を見ていると今すぐ解散というのは非常識だ」と批判した。一方、谷垣
氏は、震災からの復興財源を確保するための「復興債」の償還期間について、「2年や
3年で返そうとすると相当な税金を掛けないといけない。20年ぐらいかければ大きな
負担にならない」と語った。

 

脱原発」を掲げて一か八かの解散総選挙に打って出る、菅首相が万が一にもそのよう
な考えを持っているのなら、すでに敗軍の将のようなものである。多くの民主党議員が
落選するであろうし、誰にとってもメリットの無い選挙である。単に菅首相のプライド
のためだけに「脱原発」を打ち出されても、それが実現した後の青写真すら描けていな
いではないか。そのような選挙のために貴重な時間を使われて困るのは被災者である。
すでに退陣を決めている内閣が、このような暴挙に出るようでは話にならない。民主党
菅首相の暴走を抑え、一刻も早く復興のための予算を成立させるべきだ。