社会保障と税の一体改革をめぐる政府と民主党の会談で、与謝野経財相が2015年度
までに消費税率を10%に引き上げるとした政府案について、「2010年代半ばまで
に」など、表現の見直しに応じる考えを示したことがわかった。社会保障と税の一体改
革をめぐっては、「2015年度までに、消費税率を段階的に10%に引き上げる」と
した政府案に対し、民主党内から反発が相次ぎ、政府・与党案の取りまとめに向けた調
整が難航していた。こうした中、29日朝、与謝野経財相と野田財務相民主党の仙谷
代表代行と玄葉政策調査会長が会談し、与謝野経財相が、消費税の引き上げ時期を「2
010年代半ば」とするなど、政府案の表現の一部見直しに応じる考えを伝えた。

 

2015年度までにと記載するのと、2010年代半ばまでに、と記載するのでは何が
違うのだろうか。こういうのを玉虫色の決着と言うのであろうが、消費税率の引き上げ
をぶち上げて参院選で惨敗したことがトラウマになっているのだろう。だが、引き上げ
と記載することに違いは無く、表現を見直したところで現実は何も変わらないのだ。こ
うした小手先の手法を批判してきたのは、他でも無い民主党ではなかったのか。これで
はかつて批判してきた自公政権と何ら変わらない。民主党は次期衆院選では大きく議席
を減らすのは必至であり、政権の維持すら危うい状況にある。それゆえにこうしたその
場しのぎの場当たり的なことをするのだろう。だが、有権者を甘く見ないことだ。なぜ
民主党政権が支持を失ったかを良く考えるべきだ。