浜田和幸参院議員を総務政務官に「一本釣り」された自民党が、参院でくすぶる離党の
動きに神経をとがらせている。1日には、自民党丸山和也参院議員が、国会内で民主
党の石井一副代表と公然と会談した。会談終了後、丸山氏は記者団に、「参院では、法
案の採決で党議拘束を外すべきだという話をしただけ。離党の話題はなかった」と説明
した。しかし、石井氏は水面下で自民党参院議員の引き抜き工作を行っているとみられ
ているだけに、自民党執行部の不安は消えない。自民党執行部は、先に離党届を提出し
た浜田氏については、民主党の石井氏のほか、国民新党の亀井代表や、亀井氏に近い元
自民党参院議員会長の村上正邦氏が働きかけたものとみている。

 

自民党にとって参院での優位を崩されては元も子もない。それだけに神経をとがらせる
のは当然だろう。今のところ浜田氏が一人で飛び出した格好となっているが、引き抜き
を働きかけた亀井氏などは、10人単位のまとまった数を計算しているに違いない。震
災への対応が遅れているのは確かだが、菅首相は当初、第二次補正予算案を臨時国会
成立させるつもりだったし、内閣不信任決議案を回避するために辞任表明をして、未だ
にいつ辞めるかも明らかにしていない。このような政権を支える必要があるのだろうか。
引き抜き工作がポスト菅を見据えた動きなら納得出来なくもないが、単に菅政権の延命
措置となるようでは、あまりにも虚しい。