松本復興相は3日、岩手県庁で達増拓也知事と会談し、被災地の復興について、「知恵
を出したところ(自治体)は助けるけど、知恵を出さないやつは助けない。そのくらい
の気持ちを持って(やってほしい)」と述べた。また、「九州の人間だから、(被災地
の)何市がどこの県とか分からん」と冗談めかして発言した。その後訪れた宮城県庁で
は、村井嘉浩知事が後から部屋に入ったことについて、「お客さんが来る時は、自分が
入ってから呼べ」と語った。同県が重点的な漁港整備を要望していることについても、
「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと我々何も知らんぞ」と述べた。

 

松本復興相は「私は3月11日以来、自民党民主党公明党も嫌いだ。私と私のチー
ムはただ被災者に寄り添うだけだ」と記者会見で言っていたわけだが、被災地の知事と
の会談では、冗談のつもりなのかやけに高姿勢が目立っている。確かに、今回の震災は
未曾有の被害を東北各地にもたらし、その復興には10年単位で時間がかかることだろ
う。未だに解決の兆しが見えない福島第一原発の事故にしても、住む土地すら奪われる
事態になってしまったのだ。また、津波で壊滅したエリアは同じように港を整備するの
ではなく、人が住んではならないエリアとするのか、津波対策のビルでも建てて、避難
場所とするのか。自治体ごとによって復興の形は違う。それをどのように聞き、どのよ
うに活かすのか。復興相の役割は重い。