菅内閣不信任決議案への対応をめぐり確執が生じた民主党鳩山グループ鳩山由紀夫
前首相はグループの立て直しに懸命で、首相就任の際に退いていた会長職に6月末に復
帰した。グループ幹事長に松野頼久官房副長官、筆頭副会長に川内博史衆院議員をそ
れぞれ起用し、体制を刷新。松野、川内両氏は小沢一郎元代表と近く、鳩山氏としては
「親小沢」路線を鮮明にして結束を強化したい考えだ。「国民のために本気で勝負を懸
けて、政治を取り返さないといけないときだ」。鳩山氏は14日のグループ会合でこう
強調した。内閣不信任案に鳩山氏は一時賛成する意向を示したが、前会長の大畠章宏
土交通相や前幹事長の中山義活経済産業政務官らが真っ向から反対。さらに、鳩山氏側
近だった小沢鋭仁環境相は新グループを結成し、党代表選出馬を表明した。鳩山グル
ープ「崩壊の危機」もささやかれていた。

 

鳩山氏と言えば首相を辞した後は引退するようなことを言っていたはずだが、グループ
の会長職にも復帰し、まだまだ前面に出て活動するつもりのようだ。このような姿勢だ
からこそ、二枚舌と言った批判を受けるのだ。鳩山氏は「国民のために本気で勝負を懸
けて、政治を取り返さないといけないときだ」と強調しているが、民主党政権が国民の
信頼を失ったのは原因の一つは鳩山氏の存在だろう。自身の献金問題にしても、とうて
い国民の理解が得られたとも思えず、結局は多額の贈与税を収めて有耶無耶にしてしま
った。このような有り様であるからこそ、鳩山グループから独立しようとする動きが出
てくるのであろうし、もはやグループとしての体をなしていない。そして数だけは多い
小沢グループと連携し、民主党を引っ張っていこうとしているのだろうが、政権交代
実現した「トロイカ」の面々は身を引くべきではないか。歴史的な政権交代を実現した
ということで、その役割を終えているのだから。