原子力政策でぶれる菅首相には「忍」しかない?21日午前の参院予算委員会で挙手し
た海江田経済産業相の左の手のひらには、手書きで「忍」の一字があった。同予算委で
も、海江田氏は、首相が「脱原発」方針を表明した13日の記者会見の直前、「日本は
核兵器を持たない中で、原子力の技術を開発した。『原発ゼロ』となると、そうした技
術が途絶えてしまう」と首相に電話で懸念を伝え、慎重な対応を求めたことを明らかに
した。「脱原発」に固執する首相との認識の違いは広がるばかりだ。

 

海江田氏が玄海原発の再稼働を認めてもらうため、地元の自治体に頭を下げ再稼働を容
認してもらった後に、ストレステストを原発再稼働の条件にする、と菅首相が発表した
ことで、海江田氏は梯子を外された格好となり、これ以降急速に首相との間に隙間風が
吹き始めている。それもそうだろう、自分の嫌なことは押し付け、お膳立てが出来たら
かっさらう。そんな上司が好まれるわけがないのだ。「日本は核兵器を持たない中で、
原子力の技術を開発した。『原発ゼロ』となると、そうした技術が途絶えてしまう」と
言った発言が、産業界寄りなどと一部から批判される理由だろうが、極めて正論ではな
いか。今は「忍」のみである。菅首相が如何に「脱原発」と言う言葉に縋ろうとも、も
はや誰もついてはこないだろう。