菅直人首相は22日の参院予算委員会で、民主党の09年衆院選マニフェストについて
「財源にやや見通しの甘い部分もあった。国民におわびを申し上げたい」と陳謝した。
総額16.8兆円に達するマニフェストの新規政策は、民主党政権の発足当初から行き
詰まっていたが、東日本大震災への対応を理由にようやく破綻を認めた形だ。首相の陳
謝を受け、民主党子ども手当の修正を巡り自民、公明両党に譲歩するなど、懸案の特
例公債法案の早期成立に向け環境整備を加速させたが、自民党内には今国会の会期延長
を巡り3党合意がほごにされた不信感も残り、合意が整うかどうかはなお見通せない。

 

菅首相がいつ退陣するのか、与野党の注目はその一点のみに集まっているかのようだ。
思えば6月に退陣を表明しながらも、その時期を明確にしなかったことで、ことは複雑
化してしまった。そうこうしているうちに、せっかく延長したはずの国会も1ヶ月が経
過してしまったのだ。この間に決まったことは挙げる方が簡単ではないか。酷暑の中、
避難所生活を続ける被災者もおり、早急な対応が求められる。菅首相を退陣に追い込も
うと、民主党城島光力政調会長代理はテレビ朝日の番組で、退陣時期について「8月
上旬ごろだと思う。赤字国債発行法案が成立するころだ」との見通しを示し、外堀を埋
めつつはある。だが、結局のところ菅首相が自ら判断しないことには、退陣とはならな
い以上、退陣を促すには強烈な一手が必要であろう。