日付の中国紙、第一財経日報によると、広東省広州市と香港を結ぶ高速鉄道計画のうち、
8月10日に予定されていた広州市から深セン市までの区間開業について、担当部門の
責任者は同紙に対し、「開通日時の確定はできていない」と述べ、開業の延期を示唆し
た。7月23日に事故が起きた浙江省温州市の路線と同じ企業が設計した信号システム
が採用されており、安全性確認で時間を要するためとみられる。温州での事故から間も
ない高速鉄道の開業に反発する声も強まっている。この高速鉄道は広州南駅と深セン
駅を結ぶ約150キロの区間で、所要時間は約30分。

 

さすがの中国もシステムに不安を抱えたまま、新たな高速鉄道を開業するのは不安と見
える。事故は信号設備に重大な欠陥があり、落雷により故障が発生、赤信号を送るべき
区間に青信号を発信したのが原因と当局は発表したが、落雷程度で故障する信号システ
ムでは、広大な国土を持つ中国では使い物にならないだろう。温州では事故車両を埋め
ようとしたり、捜索活動を早々に打ち切ろうとしたり、さらには報道機関に圧力をかけ
たりと、隠蔽体質が露骨に出ていたものだが、路線を管轄する担当部門の幹部は「信号
システムの試験も行っており、安全性の確保には自信をもっている」と強気の姿勢では
ある。しかし同じことを繰り返せば、高速鉄道に対する信頼は地に落ちる。中国と言え
ども、その辺は理解しているようだ。