民主党代表選に出馬の意向を固めている野田佳彦財務相が自民、公明両党に連立を呼び
掛ける考えを示したのを受け、政権内で15日、野党との協力の在り方が主要な争点に
なるとの見方が広がった。最大勢力である小沢一郎元代表のグループでは「マニフェス
トが骨抜きになる」と反発する声も上がり、大連立への賛否が代表選の行方を左右する
可能性も出てきた。野田氏が大連立構想を打ち上げたことについて、同氏周辺は15日、
「『確信犯』だ。実現できるかどうかは別として、発言は変えない」と、代表選でも辛
抱強く主張していく考えを示した。

 

野田氏が自公両党に連立を呼び掛けた時点で、党内の一部が反対するのは目に見えてい
た。それでも「ねじれ」状態の解消をしなければ、菅首相の二の舞になりかねないと野
田氏は判断したのだろう。確かに菅首相は何も出来ないまま退陣を余儀なくされており、
何らかの成果を残すには野党を引き込んで、円滑な国会運営をするのが最善の策だろう。
それだけに足元を見られかねないわけだが、自民党は早くも首相の座を要求するなど、
かなりの高値でふっかけてきている。そうなると自民党との大連立では無く、公明党
の連立が本命なのでは勘繰りたくもなる。自民党が相手では主導権を握られかねず、民
主党のカラーが出せないまま、解散総選挙に追い込まれかねない。公明党創価学会
対するアレルギーさえ解消出来れば、連立を組むのは難しくはないだろう。