菅直人首相は26日の党両院議員総会で、特例公債法と再生エネルギー特別措置法が同
日成立したことを受け、退陣することを正式に表明し、了承された。総会では後継を選
ぶ代表選を27日告示、29日投開票の日程で行うことを決定した。党内最大勢力を率
いる小沢一郎元代表は26日、鳩山由紀夫前首相と連携して海江田万里経済産業相を支
持することを決めた。代表選は海江田氏と「脱小沢」路線を掲げる前原誠司前外相の2
人を軸に展開しそうだ。代表選には、野田佳彦財務相鹿野道彦農林水産相馬淵澄夫
国土交通相も26日、出馬を正式表明。計5人の争いとなる構図がほぼ固まった。

 

鳩山、小沢、菅のいわゆるトロイカの面々が出馬しない代表選は初めてのことではない
か。これが世代交代に直結するかと言えばそうでも無さそうだが、やはり気になるのは
小沢氏の存在であろう。民主党自由党と合併した際、その勢力は数十人だったはずの
小沢グループは、2年前の総選挙で小沢チルドレンと呼ばれる候補が大量に当選したこ
とで、一気に膨れ上がった。次の総選挙では落選は必至な彼等だが、一票は一票である。
これを使わない手はないだろう。立候補した面々も小沢詣では欠かさなかったし、前原
氏も小沢氏とは面会している。さらには党員資格停止の解除を口にする候補者もおり、
小沢グループの持つ票の力を改めて見せつけられている。自民党と同じような派閥の数
の論理で決まりかねない代表選に、何とも言えない虚無感が漂っている。