野田佳彦新首相は1日、新内閣の閣僚人事について、詰めの調整に入った。内閣の要と
なる官房長官は、中間派で旧民社党系グループの川端達夫元幹事長を軸に検討。安住淳
国対委員長の入閣が新たに浮上した。野田氏は2日中に組閣を終え、新内閣を発足さ
せたい考えだ。野田氏は1日午前、経団連米倉弘昌会長と都内の経団連会館で会い、
「何とか早くいい体制をつくって、すぐにでも始動するように頑張っていく」と述べ、
調整を急ぐ考えを示した。野田氏は同日午後、自民党谷垣禎一総裁、公明党の山口那
津男代表と個別に会談。東日本大震災の本格復興策を盛り込む2011年度第3次補正
予算案について、9月上旬にも召集する臨時国会での早期成立に協力を求める。新内閣
の発足前に党首会談を行うのは、野党の主張に耳を傾ける姿勢を示すことで、「ねじれ
国会」の運営に一定の協力を取り付ける狙いがある。

 

野田首相が組閣に向けて調整に入ったわけだが、今のところ閣僚人事では、財務相に岡
田克也前幹事長の起用が有力なほか、平野達男復興担当相の再任が内定。野田氏に近い
藤村修前幹事長代理は文部科学相厚生労働相長浜博行前財務委員長は環境相への起
用を検討。細野豪志原発事故担当相、自見庄三郎金融・郵政改革担当相は再任の方向の
ようだ。民主党が人材不足なのは明らかであり、今揃えるべきは震災の復興に向けて、
派手さは無くとも実務に長けた議員であろう。政治主導がかけ声倒れに終わったのは、
政権担当能力が欠如していることを自ら暴露したようなものである。鳩山政権、菅政権
が約1年で終焉となったように、もはや年替りで首相の顔が変わるのは、我が国の年中
行事となってしまったようだ。いい加減に止めなければならないが、野田政権にそれが
出来るかは、まだまだ未知数である。