野田佳彦首相は21日午後、ニューヨークの国連本部でオバマ米大統領と初めて会談し、
日米同盟を一層深化させていくことで合意した。会談は35分間。懸案の米軍普天間
行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について、両首脳は同県名護市辺野古沖に移す昨年5
月の日米合意の履行を確認し、大統領は「結果が必要だ」と具体的な成果を求めた。日
米合意への沖縄の理解が得られない中、大統領が「結果」を迫る姿勢を見せたことで、
日本政府はさらに厳しい立場に置かれた形だ。

 

野田首相は「日米合意にのっとって沖縄の負担軽減を図りながら、沖縄の皆さまの理解
を得られるよう全力を尽くしていく」と強調し、オバマ大統領は「これからの進展に期
待している」と述べプレッシャーをかけた。世界一危険な場所にあるとも言われる、普
天間基地の移設問題は先送りに出来るものではないはずだ。民主党政権交代を果たし
てから2年、この問題は先に進むどころか、後退に後退を重ねた上に立ち往生している
状況である。どう前進させるか、野田首相に重くのしかかるわけだが、オバマ大統領に
プレッシャーをかけられたことで、厳しい立場に追い込まれた。民主党政権が無為に2
年を過ごしたことを反省し、野党からも知恵を借りるべきであろう。