野田佳彦首相は29日午前の参院予算委員会で、小泉内閣による郵政民営化見直しのた
めの郵政改革法案に関し「早期成立を実現すべく全力で取り組む」と強調した。法案は
日本郵政グループを5社体制から3社に再編することなどが柱。東日本大震災の復興財
源捻出に向けて政府、与党が検討している日本郵政の株式売却は法案成立が前提となっ
ている。これに関連し、安住淳財務相は株式を売却しても郵政事業の全国一律サービス
は維持できるとの認識を示した。

 

郵政改革法案の成立は、民主党の連立パートナーである国民新党の悲願であったわけだ
が、鳩山政権、菅政権では店晒し状態であった。この法案が注目を集めるようになった
のは、日本郵政の株式を売却することで東日本大震災の復興財源を捻出しようと考えて
いるからである。むろん、国民新党のためを思ってのことではないだろう。小泉元首相
がある意味で政権をかけて取り組んだ郵政民営化も、数年で形を変えることとなりそう
だ。なるべく増税をせずに財源を確保するという意味では、日本郵政の株式売却も必要
であろう。郵政事業がきちんと守られることが前提であるが。