参院予算委員会は28日午前、野田佳彦首相と全閣僚が出席して質疑を行った。東日本
大震災からの本格復興に向けた2011年度第3次補正予算案と臨時増税案に関し、首
相は「与野党がある程度事前に合意し、提出後に速やかに成立を期す。(民主、自民、
公明の)3党合意を踏まえて中身の点検が早く進む方がいい」と述べ、国会提出前の事
前協議を自民、公明両党に呼び掛けた。自民党世耕弘成氏への答弁。世耕氏は「事前
協議は必要ない。国会審議の形骸化につながる」と主張。さらに「政治とカネの問題を
含め、国会運営をスムーズにすることを誓ってほしい」として、野党が求めている小沢
一郎民主党元代表の証人喚問実現へ指導力を発揮するよう求めた。

 

小沢氏の資金管理団体陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、元秘書3人全員に
有罪が言い渡されたことで、再び政治とカネの問題に注目が集まっている。党内融和の
ために小沢系の議員も入閣させ、さらには幹事長職に小沢氏と近い輿石氏を起用した野
田首相。これは、脱小沢路線を強行したことで、党内をガタガタにしてしまった菅前首
相の失敗を踏まえてのことだろう。しかし、小沢氏の政治とカネの問題が解決するどこ
ろか、元秘書に有罪が言い渡された。強制起訴され、公判を控えている小沢氏にとって、
厳しい展開となりそうだ。結局、野田首相は小沢氏の党員資格停止処分は解除しないよ
うだが、野党は政治とカネの問題で徹底的に追及してくることだろう。