米アップルは4日、スマートフォンの新機種「iPhone4S」を14日に日米など
7カ国で発売すると発表した。インターネット経由でデータを共有する新サービス「ア
イクラウド」に対応し、音声認識機能も初めて搭載した。「4S」のデザインは昨年6
月に発売した「4」とほぼ同じだが、基本ソフトを刷新した。データの処理速度が最大
7倍と向上し、800万画素のカメラを搭載。動画の撮影がより高精度になった。音声
認識では、レストランの検索や天気の状況、アラームやスケジュールの設定などが呼び
掛けるだけで行え、地図で行き先を表示する機能も加わった。日本ではソフトバンク
バイルに加え、KDDIも初めて販売し、取り扱いが2社となる。米グーグルのOS「
アンドロイド」を搭載した端末がスマートフォン市場を席巻しており、アップルは新機
能を盛り込んだ「4S」で対抗する狙いだ。

 

ユーザーの期待を一身に集めていたアップルの発表会だが、噂されていた「iPhon
e5」の発表は一切なく、従来の「4」の高性能版の発表に止まった。これには一部の
ユーザーや投資家の失望も誘い、株式市場ではアップル株が大きく値を下げる場面もあ
ったようだ。iPhoneの対抗軸としてグーグルの「アンドロイド」、さらにはマイ
クロソフトも「ウィンドウズフォン」を引っ提げて参戦しており、スマートフォンの市
場はますます混沌としてきた。しかし、その市場に大きなインパクトをもたらすのは、
やはりアップルなのである。我が国でもauが取り扱いを開始することで、ソフトバン
クの独占販売が崩れ、さらなる飛躍が予想されている。むろん、他の陣営も次々に新し
い機能を開発、追加してくるであろう。ユーザーにとっては良いことだが、そのスピー
ドが速すぎるのも考えものである。