自民党中曽根弘文参院議員会長は4日、参院幹事長に溝手顕正国家公安委員長を起
用する意向を固め、党内調整に入った。脇雅史国対委員長は留任させ、政審会長に岩城
光英元官房副長官を充てる。中曽根氏は先月30日の特別議員総会で、鴻池祥肇元官房
副長官を参院幹事長に充てる人事案を提案したが、町村、額賀、古賀3派のベテラン議
員らの反対で否決。混乱収拾のため、3派が求める溝手氏起用を受け入れたが、党内か
らは「中曽根氏は自分で反対してきた派閥のごり押しに屈した」との批判が出ている。

 

最近は民主党の内輪揉めに目がいってしまっていたが、党内での権力闘争と言えば自民
党が本家であった。鳩山政権、菅政権が迷走したために、民主党政権そのものに国民は
失望したのだった。本来なら自民党は党内をまとめて、民主党と対峙すべき時なのだろ
うが、参院の人事をめぐってゴタゴタが起きている。中曽根氏は「派閥均衡や年功序列
によらない人事」を掲げて参院議員会長に立候補し票数が同数だったために、くじ引き
によって当選するに至った。その中曽根氏が派閥の論理に屈したのであれば、本来の主
義主張は何だったのだろうか、と支持した議員は思ったことだろう。自民党は政権奪回
を本気で考えているのか。馬鹿馬鹿しい限りだ。