産経新聞社とFNNが12、13両日に実施した合同世論調査で、環太平洋戦略的
経済連携協定の参加に不安を感じている人が56・1%に上り、「期待感」の39
・3%を大きく上回った。野田佳彦首相が交渉参加の方向を打ち出したことは60
・7%が評価したが、政府の説明不足や首相の指導力のなさ、あいまいな記者会見
に批判が集まり、野田内閣の支持率は42・4%と、前回調査から13・6ポイン
トの急落となった。TPP参加の是非は、「したほうがいい」が46・5%で、「
すべきでない」の35・2%を上回った。首相が交渉参加の判断をAPEC前にし
たことについても47・9%が「適切」と回答、「不適切」は34・8%だった。

 

TPPの交渉参加表明については、野田首相指導力が発揮されたとは言い難い。
党内の反対派を自ら説得して回ったようには見えず、参加ありきでAPECを迎え
てしまった。支持率が急落したのも、TPP参加について、その意義を国民に対し
て語ることも無く、無為に過ごしていたためであろう。国民は伝聞情報をメディア
から入手するのみで、記者会見の場で語る野田首相の姿を見ることは出来なかった。
やはりリーダーはリーダーたる姿を見せてこそ、支持を集めるのではないか。TP
Pになぜ参加するのか、参加するとどうなるのか、語らなければならないことは実
に多いはずだ。支持率が50%を割り込み、このままズルズルと落ちていくのだけ
は避けねばならない。なぜ下がるのか、その理由を考えるべきだろう。