野田佳彦首相は16日午後の民主党大会であいさつし、「社会保障と税の一体改革
をやり抜くことなく日本と国民の将来はないと確信している」と述べ、消費税増税
を含む一体改革実現への意欲を重ねて強調した。首相は「一体改革は聖域なき行政
改革、政治家自らが身を切る政治改革を実行した上で必ずやり抜く」と述べ、国家
公務員給与や議員定数削減にも積極的に取り組む意欲を表明。その上で「肝心なと
きにぶれる道は絶対にとらない」と訴えた。一体改革に関する与野党協議について
は「政治全体の責任が問われているときに、与党だ、野党だとの言い訳は通じない」
と強調。衆院解散・総選挙に関し「解散しろという野党には、やり抜くべきことを
やって民意を問うとはっきり宣言したい」と述べた。

 

眼帯をして現れた野田首相。視界不良と自虐的な発言をしていたが、民主党、そし
て野田政権の先行きは視界不良そのものであろう。野田首相は消費税増税を掲げて
いるものの、党内には反対派が勢力を増しており、これに小沢氏が乗っかる格好で
反野田の兆しが見え始めている。野田首相は「不毛な政局談義はやめ、大局に立っ
て身を捨てて国民に奉仕をすることが民主党に一番求められている」と述べて、党
内抗争にくぎを刺したわけだが、不毛な政局談義を止めるだけの力があるとも思え
ない。それだけに、野田首相が如何に改革と叫ぼうとも付いてくる議員は少ないの
ではなかろうか。不退転の決意と威勢の良い言葉も、実態が伴っていなければ何ら
響かないのと一緒である。