野田佳彦首相は7日午前の参院予算委員会で、米政府が在沖縄米海兵隊1500人前
後の米軍岩国基地への移転・常駐を日本側に打診していることについて、「岩国移転
の協議は日米間では行っていない」と述べた。岩国基地には米軍厚木基地の空母艦載
機などの移駐も計画されており、首相の発言は岩国への新たな負担増に難色を示した
ものとみられる。在沖縄米海兵隊のグアム移転と米軍普天間飛行場移設問題を切り離
す日米合意について、首相は「沖縄の負担を早期に軽減する可能性を追求する」と強
調。「普天間飛行場の移設と在沖縄米海兵隊のグアム移転がともに進む方策について
柔軟性を持って協議をしている」と説明した。

 

普天間基地の移設問題が進むに進めず、退くに退けず袋小路に陥った中で、海兵隊
グアム移転が先行して進む方向となっている。さらに岩国基地への海兵隊の移転・常
駐までこれに加わるとなると、野田政権では一切コントロールが出来ないだろう。一
向に普天間基地の移設問題が片付かない米国側が業を煮やしたのか、協議の内容など
がマスコミを通じて漏れ伝わってきた。こうしてプレッシャーをかけているつもりな
のかは分からないが、解決すべき問題は山積している。素人の防衛相がこれらの問題
と正面から向き合っても、何も解決しないであろうし、誰にとっても不幸なことにな
りかねない。鳩山政権の置き土産は相当に厄介なものであった。