自民党谷垣禎一総裁は20日、都内で講演し、消費税増税に反対する民主党の小
沢一郎元代表らとの連携の可能性について「小沢氏が言っていることと、われわれ
が言っていることは同じ方向を向いているわけではない」と否定した。今国会中に
野田佳彦内閣不信任決議案や野田首相問責決議案を提出することには「われわれに
とって武器だ。もちろん使うときは使う」と述べた。消費税増税関連法案への対応
については「首相は、小沢氏と話し合い『賛成しないなら党を出ていってくれ』と
言うくらいのことをやらないと、真剣度が問われる。それなしに自民党に『協議を』
というのは筋が通らない」と改めて主張した。

 

自民党は2年前の参院選で消費税率を10%に引き上げることを公約としたわけだ
が、この辺を突かれると痛いのではないか。野田首相は税と社会保障の一体改革の
中で消費税率の引き上げを目指しており、その点については本来なら協力は出来る
だろう。しかし、次期衆院選は近いと判断し対決姿勢を強めている。それだけに、
民主党内に増税反対派が台頭してくると、連携し内閣不信任に追い込めるのでは、
との計算も働いたのではないか。野田首相は事実上の手詰まりで、野党の協力を如
何にして得るか、苦心していることだろう。党内すらまとめきれないまま、野党に
協力を求めても相手にはされないのは確かである。