沖縄を訪問している野田首相は27日午前、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談し、米
普天間飛行場の移設問題を巡る民主党政権のこれまでの対応を陳謝したうえで、同
飛行場の固定化を回避するため、同県名護市辺野古への移設が唯一有効な方法だとし
て理解を求めた。知事は県外への移設を主張し、議論は平行線に終わった。首相は知
事との信頼関係を築き、辺野古移設について粘り強く理解を求めていく方針だ。会談
は記者団に公開する形で約20分行われた。

 

沖縄米海兵隊のグアム移転と沖縄県中南部の米軍5施設・区域の返還を先行する方針
を説明し、さらには沖縄振興予算の増額という「お土産」を持参した野田首相だった
が、仲井真知事が首を縦に振ることは無かった。むろん、会談が公開する形で行われ
たため、仲井真知事も慎重な態度を取ったのであろう。米軍5施設・区域の先行返還
は実現すれば、沖縄県にとってもメリットは少なくない。こうして条件が徐々に整い
つつあるように見えるが、仲井真知事を動かすには至っていないのだ。果たして野田
首相は普天間基地の移設問題を解決に導けるか。まだまだ先行きは不透明なのは間違
い無いところだろう。