参院予算委員会は14日、田中防衛相の答弁を巡り、審議が10回以上も中断した。
田中氏は国連平和維持活動で派遣した自衛隊の撤収判断に関し、「(実施計画、実施
要領を)見ていない」と答弁。派遣先の一つである中東・ゴラン高原がまたがる地域
について、「シリアとヨルダン」と間違えた。沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で
も、同県内の米軍ホワイトビーチ沖を移設先としない理由について問われ、「総合的
に勘案すれば沖縄県内に移設せざるを得ない」と、ホワイトビーチを県外と勘違いし
たとも受け取れる答弁した。質問した自民党佐藤正久氏は激しく反発した。

 

野田首相は「私が適材と思って選んだという意味では私の(任命)責任だ」「防衛相
には一層、緊張感を持って職責を果たしてもらいたい」とかばったわけだが、もはや
適材適所との言葉は脆くも崩壊しているのではないか。田中防衛相を集中攻撃するこ
とで、野田政権に打撃を与えるのが野党の狙いである。確かに田中防衛相は野田政権
にとっての「穴」なのだろうが、重箱の隅をつつくような追及が本当に必要なのかと
問われれば、否であろう。田中防衛相が不適格なら変えれば良いだけのことだ。今の
我が国に無駄にして良い時間など無いのだから。