自民党内で、9月の党総裁選をにらんだ有力議員の動きが活発化してきた。谷垣総裁
は野田政権を早期の衆院解散に追い込んで、再選を果たすことを基本戦略に据えてい
るとみられるが、谷垣氏の力量を危ぶむ声は広がっている。谷垣氏が2月に野田首相
と極秘会談を行ったことも、中堅・若手議員に「政権との対決姿勢に反する」と受け
取られ、「ポスト谷垣」の動きを強めている。

 

民主党は来年、衆参ダブル選を目論んでいるとの観測だが、その際に自民党が誰を担
いで戦うかが9月の総裁選を前に、動き始めているようだ。確かに次の首相に誰が相
応しいかとの世論調査で、谷垣氏がトップを奪ったことは無い。それだけに選挙の顔
としては厳しい、との判断が自民党内で出るのも当然である。しかし、自民党は選挙
の顔を求めて首相の首を挿げ替えてきた前科があるのだ。選挙に勝つのが至上命題に
なるのは仕方が無いが、それにしても節操が無いとはこのことだ。むろん、谷垣氏が
次期首相として相応しいかは、言わずもがなであるが。