国民新党亀井静香代表は29日、野田佳彦首相が目指す消費増税は国民との約束違
反として、民主党との連立政権から離脱する方針を固めた。亀井代表は同日夜、首相
公邸で首相と会談し、こうした意向を伝えたとみられる。ただ、国民新党内には連立
維持を求める声があり、同党の分裂に発展する可能性もある。一方、政府は30日、
現在5%の税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる消費増
税関連法案を閣議決定する。しかし、民主党内に小沢一郎元代表ら反対派を抱える中、
亀井代表が連立離脱を決めたことで首相の政権運営はさらに厳しさを増すことになる。

 

政権交代が実現してから民主党と連立を組んできた国民新党が、連立離脱を踏み切る
のなら、野田政権にとって相応のダメージとなることだろう。小政党だけに議席数の
減り幅は少ないが、連立パートナーが離脱することで、それに乗じて党内からも消費
増税に反対する動きが出てくるのではないか。小沢グループが相変わらず反対を明確
にする中で、国民新党の離脱はタイミングが悪い。むろん国民新党の中にも、郵政改
革法案を成立させずに離脱するのは、支持母体の理解が得られないとの判断から、何
とか留まろうとする議員もいるだろう。むしろ、亀井代表に付いていく議員の方が少
ない可能性すらある。分裂もまた、仕方の無いことだろう。