野田佳彦首相は8日、首相公邸で民主党城島光力国対委員長と会い、消費増税関連
法案などに関する与野党協議の早期実現に向け、野党各党との党首会談の日程調整に
全力を挙げるよう指示した。首相は、自民党谷垣禎一総裁らとの個別会談を10日
にも開き、消費増税法案や、赤字国債発行を可能にする特例公債法案など重要法案の
今国会成立に向けた協力を求めたい考え。ただ、自民、公明両党は現時点では会談に
応じない姿勢を示している。

 

党首会談が仮に実現したとしても、自民、公明両党から前向きな発言を引き出せると
はとうてい思えない。自民党の谷垣氏は「形式的なことだけをしても、いかがなもの
か」と改めて表明し、公明党の山口氏も「首相はもう法案を国会に出しているのだか
ら、(審議の)進め方(を協議する)ならば、国対委員長や幹事長に任せるべきだ」
と強調、党首会談を無用との立場を貫いている。谷垣氏にとって、野田政権を解散に
追い込まない限り、秋の総裁選での再選は非常に厳しい状況だ。それだけに、民主党
に協力した結果、そのまま居座られれば谷垣降ろしさえ考えられる。対決姿勢を強め
る野党をどう動くかすか、国対の腕の見せどころではあるが。