27日の参院社会保障・税一体改革特別委員会で、上着とネクタイを着用して出席し
野田首相がやり玉に挙げられる一幕があった。自民党の宮沢洋一議員が「省エネを
(国民に)お願いする気があるのか」とただし、首相は「外国の来客が多く、ネクタ
イを着ける日が続いている。服装以外で徹底したい」と釈明した。政府は今年も5月
からクールビズの取り組みを始めた。首相はネクタイを外した時期もあったが、岡田
副総理らから「締まらない」「似合っていない」などと言われ、すぐにネクタイ姿に
戻した経緯がある。

 

外国の来客と会う時にだけネクタイを着ければ良いだけのことではないか。単に見栄
えの問題で、クールビズをやめたのなら本末転倒である。そこまで見栄えを気にする
のなら、それこそ自費でスタイリストでも付ければ良いだろう。自らがクールビズ
見本となるぐらいの気構えが求められる。岡田副総理から似合わないと言われただけ
でネクタイ姿に戻したのなら、それこそ噴飯ものである。むろん、クールビズだけが
節電のための手段でもない。本当に野田首相が「服装以外で徹底」と言うのなら、そ
れを堂々と誇示すべきだ。