野田佳彦首相は29日、岡田克也副総理と藤村修官房長官を留任させる方針を固めた。
玄葉光一郎外相も留任させる方向。また、田中真紀子元外相を閣僚に起用する検討に
入った。首相は1日に内閣改造を行い、皇居での認証式を経て同日中に野田第3次改
造内閣を発足させる。野田首相は29日、首相公邸で岡田、藤村両氏と会談し、改造
人事について意見交換をした。消費増税法を牽引した岡田氏と、輿石東幹事長との関
係が良好で自民党との調整役も果たしてきた藤村氏は留任。尖閣諸島竹島問題など
をめぐる外交の継続性から、玄葉外相も留任で調整している。

 

ここで田中元外相を起用するのは、いったい何の意味があるのだろうか。要職には起
用されないとは思うが、単なる話題作りでしかない。日中国交正常化を果たした田中
角栄氏の長女であるからと言って、中国にどんなメッセージを送ることになるのか。
野田政権が臨時国会を乗り切れるかは、野党との協調以外にない。田中元外相は逆に
野党の攻勢を呼ぶ材料ともなりかねないだろう。舌禍を起こしかねず、閣内に置いて
おくのは逆効果である。こう言った人事しか出来ないようでは、民主党は人材不足と
いつまでも指摘され続けることだろう。