野田佳彦首相が「近いうち解散」の約束を履行する気がないことが明白となった。
18日の民主、自民、公明3党の幹事長会談で、民主党輿石東氏が解散時期に関
し、首相から「新提案」があるとし、自公両党に期待を抱かせただけにその失望は
大きい。内閣支持率が低迷しているうえ、田中慶秋法相の辞任が避けられなくなっ
たことで解散どころではないというのが首相の本音のようだ。だが、公党との約束
を破ったツケが首相に跳ね返ってくるのは確実だ。

 

野党の協力を得ないことにはあらゆる法案が通らない状況に、野田首相は完全な袋
小路に陥っている。それでも、特例公債法案と言った重要法案が成立しないのは、
野党が協力しないからと責任転嫁する姑息さはあるようだ。「近いうちの」解散が
事実上、嘘だったことが明らかになり、自公両党はますます態度を硬化することだ
ろう。消費増税法案を成立させるためだったとは言え、党首会談で大嘘をついたこ
とで、野田首相は大きな禍根を残す結果となった。