「国会で毎日いじめられて大変だが、前よりはだいぶ免疫ができて免疫力を発揮して
いる」。安倍晋三首相は19日夜、都内のホテルで開かれた「ヘルシー・ソサエティ
賞」の授賞式でこんな軽口をたたき、政権運営の好調さをうかがわせた。同賞は、医
療や教育を通じて健康な社会づくりに貢献した人に贈られる。首相は潰瘍性大腸炎
患った経緯にも触れ、「幸い5年前に画期的な新薬が認可されたが、日本は認可が3
0年遅かった。遅かったがために、2回首相ができたのではないか」と話し、会場の
笑いを誘っていた。 

 

安倍首相は6年前の挫折が自らを強くした、そう考えているのだろうか。異例の長期
政権となった小泉政権から後を引き継ぎ、結果として自民党を野党に転落させる要因
となってしまっただけに、捲土重来を計るために周到な準備をしてきた。保守勢力の
結集のために超党派議員連盟を結成したり、維新の会が国政に進出する前から接触
をしていたのも、再登板に向けての地固めだったのだろう。自民党にとっては再登板
など容認しがたいはずだったにも関わらず、再び総裁となり首相となった安倍氏。こ
れが経験の差と言うものであろうか。