与野党の一部に観測があった7月の「衆参同日選」は、事実上消滅した。参院選は7
月21日投開票の予定だが、次期衆院選の前提である「1票の格差」是正が間に合わ
なくなったためだ。昨年末に当選し、4年の任期を得たばかりの衆院議員からは安堵
の声も漏れている。7月21日にダブル選を行う場合、衆院選公示は同月9日。格差
是正のため衆院小選挙区を「0増5減」して区割りを変更する公職選挙法改正案は、
施行日を公布から1カ月後と定めている。

 

野党を殲滅する好機として安倍首相が衆参同日選に踏み切る可能性はあったが、一票
の格差を是正するための0増5減が実現しておらず、今のまま衆院選を実施したとこ
ろで選挙そのものが無効となりかねない。むろん、ようやく獲得した議席を放り投げ
てまで、また選挙戦を戦うと言うのも好まれないだろう。圧倒的な支持率を背景にし
て正攻法で戦うことが自民党を勝利に導く、最善の策である。ここで手を緩めず、参
院選に臨んで欲しいものだ。