米軍普天間飛行場の移設が争点となる同県名護市長選で、前市長の島袋吉和氏が30日、
名護市内で記者会見し、立候補することを表明した。日米両政府が合意する普天間の名
護市辺野古への移設容認を明確に掲げた。既に出馬表明している自民党県議の末松文信
氏と移設容認派の票を奪い合うことになり、政府・自民党は分裂回避に向けた一本化を
模索している。

 

島袋氏は記者会見で「名護の閉塞感を打破するため、辺野古移設を進めて地域振興を図
っていく。選挙は対立軸がなければ市民が迷う。市民主体の選挙をやっていく」と語っ
たわけだが、自身が対立軸に成り得ると判断したのは、やはり末松氏が明確な姿勢を示
していないことが原因だろう。移設容認派の候補が分裂すれば現市長を有利にするだけ
であり、政府・自民党にとっては絶対に避けなければならない事態である。ここで容認
派が負ければ、それこそ普天間基地の固定化につながりかねない。