安倍首相は29日昼、欧州歴訪の最初の訪問国ドイツに向けて、政府専用機
羽田空港を出発した。30日にメルケル首相と会談し、欧州連合との経済
連携協定交渉や、ウクライナ情勢などについて協議する。首相はドイツの後、
英国、ポルトガル、スペイン、フランス、ベルギーの順に、計6か国を回る。
帰国は5月8日で、キャメロン英首相やオランド仏大統領ら各国首脳との会
談のほか、1日にロンドンの金融街ティーで講演、6日にパリで開かれる
経済協力開発機構閣僚理事会での演説なども予定している。

 

安倍首相はかつてないペースで外遊を続けているが、隣国の中韓には訪問が
出来ていない。第一次安倍政権では小泉政権で冷え込んだ中韓との関係を修
復することから始めたものの、国内で足を引っ張られ、支持率を大きく落と
したため、外交に力を入れられなかった。今回は国内で自民党が圧倒的な勢
力を誇り、野党が弱体化しており、国内は盤石な状態にある。それだけに中
韓との関係改善を無理に進めるよりも、外から固めていくことに重きを置い
ているのではないか。毎年のように首相の顔が変わっていただけに、その存
在感を示すための外遊であるとも言えるだろう。