党の分裂を決めた日本維新の会石原慎太郎共同代表が6月11日の党首討
論に意欲を見せている。今国会中は国会内の同じ会派で活動するためだ。だ
が、橋下徹共同代表に同調する議員からは「辞退すべきだ」との声もある。
維新の国会対策委員会の会合で「石原氏の主張について維新全体で責任を負
えない」との意見が出た。党首討論は、集団的自衛権が主要テーマになる可
能性が高い。憲法観の違いを理由に石原氏が新党を立ち上げることになった
だけに、維新の見解を代表できないとの指摘だ。

 

日本維新の会は最後の最後まで醜い姿を晒すのか。きれいに分党する、それ
を実現するには変なところで揉めないことだ。石原氏が現時点で共同代表で
ある以上、党首討論の場に立つのが筋である。それが嫌なら石原氏を引き摺
り下ろすくらいの覚悟が必要であろう。最後の花道として送り出してあげる
くらいの器量があれば、ここまで揉めることもなかったかもしれない。感情
的な対立が所属議員に広まり、野党の盟主になれずに分裂する。そもそも、
一強他弱の状態が政界にとって好ましくないのだ。