大阪市を5つの特別区に分割し、役所機能を再編する大阪都構想を掲げる大阪維新
会代表の橋下徹市長は28日、市営地下鉄民営化などの改革が市議会野党の反対でス
トップしているとして、「5月の住民投票で都構想を成立させて市議会をつぶし、市
民のためになる(区)議会に作り直す」と述べた。橋下氏は約2年前に市営地下鉄・
バスの民営化条例案を提出し、バスについては野党側の意見を受け入れる形で市の外
郭団体に一括譲渡するプランを策定。野党は民営化後の経営計画の内容や、昨秋に発
覚した交通局の不適切な契約を問題視し、昨年11月の議会で否決していた。

 

大阪都構想に政治生命を賭けている橋下氏。2月議会に同じ民営化条例案を提出する
意向を示しており、「否決でいい。議会のデタラメさを住民に示す」「住民投票前の
最後の議会なので気を使わない」と対立を厭わない姿勢のようだ。独りよがりにも見
えなくはないが、果たして市民の支持は得られるのだろうか。大阪都構想自体が理解
されているとは思えず、そもそも大阪維新の会はまず統一地方選で乗り切らなければ
ならない。一定の議席は確保できたとしても、圧勝とは程遠いであろうし、すでに風
は止んでいる。それでも橋下氏は戦えるのであろうか。