中国・天津市の「浜海新区」の爆発事故は15日、死者数が104人に上った。現場には
多量のシアン化合物が残っている疑いが浮上し、当局が処理のため周囲3キロを立ち入り
禁止にするなど緊張が続いている。爆発が起きた危険化学物質の貯蔵施設が住宅地の近く
に造られるなど、「人災」との批判が強まっている。死者数は国営新華社通信が同市の情
報として伝えた。12日の発生から、14日夕までに現場の火災がほぼおさまり行方不明
者の捜索が本格化。犠牲者の数が一気に増えた。今後もさらに増える可能性がある。

 

天津は世界第4位の貨物取扱量を誇る国際港だったが、税関施設は大破し、通関業務に大
きな影響が出ているようだ。約1万7千戸の民家と約1700の企業、675の商店に損
壊などの被害が出ており、死傷者の数は膨らむばかりだ。爆発の威力は21トンのTNT
火薬に相当するとされ、文字通り一つの地区を壊滅させてしまった。この復旧には相当な
時間がかかるだろうが、果たしていったい何が原因だったのだろうか。ここまで被害をも
たらす危険物質を貯蔵するには、相応の施設が必要であろう。中国政府に批判の矛先が向
く可能性が出てきている。