マスコミの情報収集の手段は地道な取材活動だけではない。
通信社配信の記事や企業のプレスリリース、系列社との連携、官公庁のブリーフィ
ング、実に様々な手段で情報を収集し編集したものをニュースとして流している。
むろんそういった公の情報源だけではスクープはとれない。

 

では、何が必要とされるのか。
今年紙面やテレビを飾った主なスクープを考えて欲しい。参院選前の議員の年金未
納問題、UFJ三菱東京経営統合近鉄バファローズとオリックスブルーウェ
ーブの合併、いずれも内部の事情を知るものからのリークであると予想される。
特に年金未納に関しては社会保険庁でしか知ることの出来ない情報が流れている時
点で、ある意味情報流出に近いことである。自分たちの悪行から目を逸らすために
意図的に流したのであろう。正にクズである。

 

後者の銀行の経営統合・球団の合併は確か日経のスクープとして扱われたが、いず
れも名目上は「救済」目的での吸収合併である。吸収される側が放ったせめてもの
抵抗と見ることが出来るのではないか。ほぼ道筋がついてからの発表と、さてこれ
からという状態での発表、では戦略に大きな狂いが生じる。
結果的に両者とも大いに揉めながらも当初の目的を果たしたわけではあるが、少な
からずダメージを負ったのは間違いないだろう。

 

いずれにしてもリーク頼みの報道は、ほどほどにしてもらいたいものだ。