かつていわゆる西側諸国が核を持っていることを批判し、東側諸国が核を持って
いることを容認・支持した連中がいた。西は帝国主義で東は平和主義であると、
脳に霧がかかったような発言をしていたわけだ。結果的にはソ連アフガニスタ
ン、中国のベトナム侵攻で自ら平和を壊す国家であることが明らかになり、さす
がにトーンダウンせざるを得なかった。

 

昨日、北朝鮮が「公式」に核兵器保有を宣言した中で普段米国の核政策(戦術核
の開発等)に批判を加える連中は、果たしてどれだけ声高に叫んでくれるのかを
非常に注目すべきだろう。「日本が圧力をかけようとするからだ」とか「米国が
脅すからだ」と言ってほしいものだ。広島市は批判をしたらしいが、金正日将軍
を8月6日の式典に呼ぼうとした「前科」があるので、ポーズと見て良いだろう。

 

とかく現実を見ようとせず、善か悪かの二元論に陥った連中には今回の核保有
言は、現実を認識させた良い機会であったろう。握手をすべき手に拳銃が握られ
ているのでは、うかうかと近づくことすら出来ないのだ。彼等が自ら扉を閉じる
のであれば、それも止むを得ないことである。