「女性の地位委員会」閣僚級会合で、ノーベル平和賞受賞者でケニア環境副大
臣のワンガリ・マータイさんが演説し、日本語の「もったいない」を環境保護
の合言葉として紹介し、会議の参加者とともに唱和した。おそらく先進国の代
表がこれを言っても上っ面だけの言葉としか捉えられなかっただろう。

 

確かに我が国は資源が皆無と言っても良く、資源の再利用を進めてきた。京都
議定書もホスト国として、温暖化ガスの削減を果たさなければならないであろ
う。資源があっても、それを使いこなすだけの技術がないため、先進国の原料
供給地でしかなかった国々にとって、先進国がまず無駄遣いを無くすことで報
いることも必要だ。

 

環境問題にしても、ボランティア活動のようにただの偽善やきれい事で終わる
ようでは何ら意味がない。日本語の「もったいない」が紹介されたことをきっ
かけに、我が国の環境技術を世界に伝播すべきである。特に環境破壊の著しい
中国には目を向けてもらいたいものだ。我が国は高度成長期に様々な「痛み」
を知り、少なくとも教訓として刻み込まれているのだから。